PIC講習/プログラムの作成と書き込み

概要

今回は、MPLAB X IDEの使い方と、どのようにPICに書き込むのかを説明します。

重要語

プロジェクト

プログラムを作成するためのファイル群

ソースファイル

処理を記したファイル

ビルド

コンパイルに加え、ライブラリなどの必要なファイルをつなぐこと

必要語

今回の必要語はありません。

プロジェクトの作成

では、プロジェクトを作成していきますので、まずはMPLAB X IDEを起動してください。

Step1

画面左上のNew Projectのアイコンをクリックしてください。

Step2

Microchip EmbeddedとStadalone Projectを選択して、Next>をクリックしてください。

Step3

DeviceはPIC16F1827を選択して(キーボードから入力できるので、それを活用するとよいです)、Next>をクリックしてください。

Step4

デバッグヘッダは使わないので、そのままNext>をクリックしてください。

Step5

コンパイラは、XC8を使います。XC8を選択して、Nextをクリックしてください。

Step6

Project Nameにはプロジェクトの名前を入力してください(ここではlessonとしましたが、何でもよいです)。 そして、EncodingはUTF-8にすると、日本語が正常に使えるようになります(Shift_JISでも日本語は使えますが、0x5cの問題があるのでおすすめしません)。 最後に、Finishをクリックすると、プロジェクトの作成が完了します。

ソースファイルの作成

続いて、ソースファイルを作成していきます。

Step1

画面左上の、New Fileのアイコンをクリックしてください(Source Filesのところを選択した状態でクリックすると、確実にここにソースファイルが作られるのでよいです)。

Step2

CategoriesはC、File TypesはC Source Fileを選択してNext>をクリックしてください。

Step3

ファイル名を入力してください(ここではmainとしましたが、何でもよいです)。 最後に、Finishをクリックしてください。これで、ソースファイルの作成は完了です。

ビルド

では、ビルドしていきます。

コード

以下のコードをコピー&ペーストしてください。
test
/****************************
 main.c
 PIC16F1827
 MPLAB X IDE v5.45
 XC8 v2.32
 2021/03/23
 ****************************/

#include <xc.h>

#define _XTAL_FREQ 8000000

// コンフィギュレーションの設定
#pragma config FOSC = INTOSC
#pragma config WDTE = OFF
#pragma config PWRTE = ON
#pragma config MCLRE = OFF
#pragma config CP = OFF
#pragma config CPD = OFF
#pragma config BOREN = ON
#pragma config CLKOUTEN = OFF
#pragma config IESO = OFF
#pragma config FCMEN = OFF

#pragma config WRT = OFF
#pragma config PLLEN = OFF
#pragma config STVREN = ON
#pragma config BORV = HI
#pragma config LVP = OFF

void main() {
    OSCCON = 0b01110010;
    ANSELA = 0x00;
    ANSELB = 0x00;
    PORTA = 0x00;
    PORTB = 0x00;
    TRISA = 0x20;
    TRISB = 0x00;

    while (1) {
        RB0 = 1;
        __delay_ms(500);
        RB0 = 0;
        __delay_ms(500);
    }
}

ビルドの実行

画面左上のビルドをクリックしてください。

ビルド終了

ビルドが正常に終了すると、「BUILD SUCCESSFUL」というメッセージが出ます。
異常に終了すると、「BUILD FAILED」というメッセージが出ます。以下は、セミコロンを忘れてしまった場合です。
しかし、このコードをコピーしてこのメッセージが出た場合は、コンパイラが入っていないか、何らかの設定が間違っている可能性があります。

書き込み

では、PICに書き込んでいきます。

電源の供給設定

画面左のProject Propertiesをクリックしてください。
左側のCategoriesはPICkit3を選択して、右側のOption categoriesはPowerを選択してください。
Power target circuit from PICkit3にチェックを入れたら、OKをクリックしてください。

書き込み実行

では、PICkit3とパソコンを専用の赤いケーブルでつないでください。そして、PICkit3とPICをつなぐのですが、 物理部には、PICが外しやすいゼロプレッシャーICソケットで作った変換基盤がありますので、それを使ってください。 といっても、ここの接続はそれぞれのピンに対応するピンをつないで10kΩの抵抗を挟むだけでよいので、ブレッドボードでも可能です。
接続し終わったら、Make and Program Device Main Projectをクリックしてください。その際、Toolを聞かれることがありますが、PICkit3を選択してください。
初回の書き込みは遅い印象がありますので、気長に待ってください。書き込みが成功すると、Programming/Verify Completeというメッセージが出ます。
ちなみに、このMake and Program Device Main Projectボタンは、書き込みをする前にBuildもやってくれるので、いちいちBulidしてからMake~を押す必要はありません。

回路

では、回路の準備をしていきます。以下の回路を組んでください。
電圧は、3Vか4.5Vがよいでしょう(一応データシートには1.8V~5.5Vと書いてあるので、6Vは推奨しません)。
組んだら、電源を入れてみてください。うまくいけば、LEDが点滅します。
これで、環境の確認は終わりです。お疲れ様でした。